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東宝では湿度や気温など厳重な管理下で、数万巻に及ぶフィルムを大切に保管しています。それでも長い年月を経るにつれて、褪色やフィルム・ベース素材の変質、プリント時に生じるキズなどによりフィルムが劣化してしまうことも稀にあります。
今回、黒澤明監督作品をDVD化するにあたっては細心の注意を払い、撮影監督・斎藤孝雄氏監修のもとHD24Pでテレシネを行いました。HD24P(24フレーム・デジタルHDシステム)は、映画撮影技術と最新鋭の高品位デジタルイメージング技術をインテグレートすることにより生まれた新世代の映像制作システムです。
こうして出来上がったハイクオリティの映像素材を、最新のデジタル補正技術を用いてコントラストや色の補正をし、さらにデジタル画像修復システムを駆使してキズ消しと映像の補修を行いました。最終段階では1コマずつ人間の目で確かめて、可能な限りの修復を行っております。
(左の写真にカーソルを合わせていただくと、修正後のイメージをご覧いただけます)
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これら一連の作業を経ることにより、白黒映画ではより明暗のコントラストが得られると共に、中間調でのなだらかなグレー・スケール・グラデーションを実現。従来では暗部に偏り、つぶれてしまうことの多かった髪の毛の1本1本に至るまで、忠実に再現できるようになりました。またカラー作品においては色滲みを極力抑えると共に、色の彩度と発色においてデジタル処理を実施。合戦スペクタクル・シーンで入り乱れる旗竿や豪華絢爛たる戦国衣裳を生き生きと甦らせ、ビビッドな色使いで定評のある黒澤監督の映像世界をダイナミックに再現しました。
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【テレシネ監修:撮影監督・斎藤孝雄氏の言葉】
『姿三四郎』から『まあだだよ』まで約50年間になりますが、モノクロ作品だとフィルムのキズ、カラー作品だと褪色が問題になってきます。また作品の内容がそれぞれ違うように、映像も作品ごとにトーンがちがうので、フィルムの保存状態も考えると、すべてを同じ調子でテレシネをしていいわけではありません。
ビデオからレーザーディスクへと移行する段階で、映像のクオリティは格段に良くなりましたが、DVDではさらに高いクオリティが要求されています。現在では最新のデジタル技術を使うことにより、作品をオリジナル通りに修正することも可能になりました。こうしたことを踏まえて、今回はオリジナル・ポジの段階から具体的な指示をしてニュープリントを起こし、丁寧に修復を行いましたので、作品ごとの特色をかなり忠実に再現することが出来たと思います。最高の修正、修復を、今後のために是非とも残したいと思います。
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